vol.104「大切なものは何か? の実験」
数日前に自宅の引っ越しをしました。
時間が限られている中での荷造りだったので、部屋にあるものを片っ端からダンボールに入れていき、なんとか引越し当日に間に合ったという状況でした。
新居では、必要最低限のものをダンボールから出した以外はまだ荷解きが全然できておらず、ダンボールの山脈の中で生活しています。
ですが実は、この生活、もう少し続けようと思っています(家族には怒られそうですが...)。
というのは、ダンボールから出さないで済むものは、実はそんなに必要でないものだとわかるからです。
洋服にしても、本にしても、食器にしても、必要以上のものに囲まれて生活していることをいやでも思い知らせてくれるのが引っ越しです。
今回せっかくそのことを骨身にしみて実感したのですから、しばらく大量のモノたちはダンボールの中で眠っていてもらい、少し時間を置いて「いる・いらない」と分けていこうと思っています。
2014年に、『365日のシンプルライフ』というフィンランドの映画が公開されました。
主人公の26歳の男性は、彼女にフラれたことをきっかけに、モノで溢れ返った自分の部屋にウンザリし、自分の持ちもの全てをリセットする"実験"を決意します。
ルールは4つ。
1.自分の持ちものをすべて倉庫に預ける
2.1日に1個だけ倉庫から持ってくる
3.1年間、続ける
4.1年間、何も買わない
その過程で、
「必要が満たされた時に、人はモノに何を求めるのか?」
「モノを買わないと決めたのに、直すより買った方が安い。どうしたらいい?」
「何のために、自分はたくさんのモノを持っていたのか?」
といった無数の問いと葛藤が、主人公を襲います。
そして様々な人々との関わりの中で、「自分を幸せにする、人生で大切なものは何か?」の答えを見出していくというストーリーです。
ここまで厳密な"実験"はできませんが、私自身も今回の引っ越しが、自分とモノの関係を見直すよい機会ととらえています。
もっというと、そのモノを手にしたときの過去の自分と向き合うこと、これからの未来の自分がどうありたいのかを見つめることであると考えています。
引っ越しのダンボールが片付かない言い訳?に聞こえるかもしれませんが(笑)、来年はゆっくりその"実験"をしていきたいと思います。
(DODパートナー 大前みどり )