Vol.42 手探り対話
息子が17歳になった。
思春期の男子はなかなか想いを話すことが少ない。
それでもなんとか話せるような関係性を作ってきたつもりだが、
なんでも親の思い通りにならないのが、子育ての難しいところだろう。
先日、息子の通う高校で、先生と息子と私での三者面談に臨んだ。
久しぶりに朝から息子と学校に向かい、面談を15分ほどで終えた。
その後、私たち親子は、息子の誕生日が近かったこともあり、
「夏用の服がない」という息子のリクエストにも応えるつもりで
ショッピングに出かけた。
オープン前に着いてしまったので、二人でスペシャリティ
コーヒーの店に入り、オープンまでの小一時間を過ごした。
二人、コーヒーを挟んで差し向かい。
息子にも逃げ場はなく、父親としてはチャンスとばかりに
息子に話しかけた。
時にオープンクエスチョンで話しかけ、
あまり質問ばかりでも尋問のようで話しにくかろうと思い
じっと黙って、少し視線を外しながら答えを待ったり。
すると、それまで受け身で話していた息子が、
ある話をきっかけに積極的に話し始めた。
ここで質問攻めにしては元の木阿弥。
ここは、じっと傾聴に徹する。
決してうまい話し方でもないし、「で、結果はなに?」と
ツッコミを入れてみたい気持ちも湧いてくるが、
そこはグッと抑えて興味深げな相づちなど打ちながら、
話に聞き入ってみる。
満足気に話す息子。
そんな会話を続けていると、息子からポツリポツリと、
隠していた本音らしき話が飛び出す。
そう、これだよ!こういう話が聴きたかった!
自分から話し始めるツボはどこに隠れているのかわからないものだ。
それを毎日探しながら話をする。
いまはそうやって話す時期なのだろう。
毎日が手探り対話である。
と、書いている今は、何を話しかけても大した反応は返ってこない。
まったく、思春期の子とのコミュニケーションってやつはむずかしい。
(DODパートナー:中川繁勝)