【レポート】7/11 「今、なぜワールド・カフェなのか?~The World Cafe on World Cafe~」開催報告

開催概要

●タイトル:「今、なぜワールド・カフェなのか?~The World Cafe on World Cafe~」
●主催: ワールド・カフェ・ウィーク実行委員会
●日時: 2010年7月11日(日) 10:00~13:00
●場所: 東池袋あうるすぽっと
●会費: 2,000円

●ファシリテーター: ワールド・カフェ・ウィーク実行委員 坂本敬行
●参加人数: 30名 (スタッフ含む)
●テーマ: 「今、なぜワールド・カフェなのか?」
●ラウンド数: 映像+事例紹介+4ラウンド+全体シェア

●問い
・なぜワールド・カフェに興味を持ったのか?
・ワールド・カフェには、どんな可能性があるか?(経験談も含めて)
・今、なぜワールド・カフェなのか?

●問いの意図
今、日本に限らず、様々な地域で、企業で、ワールド・カフェの手法が広く注目され、取り入れられているのはなぜか? ワールド・カフェ初体験の人から既に経験されている人まで幅広く参加しやすいようにと考えました。

「なぜ?」という問いを立てるとついつい原因分析、問題解決のように理屈っぽくなってしまう可能性がありました。そこで、参加者全員が対話の中で探究していくために、まずは参加した人たち一人ひとりの動機を共有し、対話の中でさらに深めていただくことから始めようと考えました。そのうえで、ワールド・カフェに関する実体験や感じている可能性を語りあうことで、ワールド・カフェという対話の手法について深く考えてもらうように問いを企画しました。

当日の様子

日曜日の朝ということもあり、一日のはじまりを穏やかに過ごせるようにゆったりとした音楽を流し、くつろげるような環境づくりを心掛けました。
今回は、学生から社会人まで幅広く多様な参加者の方々にお集まりいただきましたので、まずは、全体でアイスブレイクも兼ねた自己紹介を行っていただき、場が和んできたところで今日の流れをお伝えし、本編スタートとなりました。

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今回は参加者の8割以上がワールド・カフェ初体験ということもあり、最初にワールド・カフェのストーリーについて語られている計20分の映像を流して、ワールド・カフェとは何かを知ってもらうことからはじめました。ただし、映像の音声が聞こえにくかったのと、英語のみの映像もあり、参加した方々にはご不便をかけてしまいました。

その後、ワールド・カフェ・ウィーク実行委員の坂井より、本人がファシリテーターを行ったワールド・カフェの事例を15分で紹介し、参加した人たちがワールド・カフェとはどんなものなのかをよりリアルに想像してもらったうえで、ワールド・カフェへ。

1ラウンド目では、「なぜワールド・カフェに興味を持ったのか?」について。
初体験の方も多かったことから開始当初はゆっくりでしたが、活発な対話になるまで時間はかかりませんでした。

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2ラウンド目では、「ワールド・カフェには、どんな可能性があるか?(経験談も含めて)」について。
経験のある方、初めての方、それぞれが可能性について1ラウンド目以上に活発に語り合い、対話にのめりこんでいく様子がうかがえ、盛り上がりもピークに達しました。はじめて会う方が多いとは思えないほど、全員が知人、友人のような雰囲気になっていました。

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3ラウンド目では、「今、なぜワールド・カフェなのか?」について。
2ラウンド目の話の流れを引き継ぎ、参加者それぞれが抱えているテーマなどから、今回のテーマについてそれぞれが自分の考え、意見をまとめながら率直に語り合っていました。

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4ラウンド目では、1ラウンド目のホームに戻り、3ラウンド通しての感想、気づきを共有しました。

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最後に、4ラウンド通して、今日、それぞれが一番印象に残ったキーワードやフレーズ、気づきについて付箋に書いてもらい、ホワイトボードにはってみんなで今日の対話による収穫を共有しました。

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その結果、「場、感じる、共有、共感、共創、つながる、受け入れる、気づく」というキーワードが浮かんできました。普段から誰もが必要だと感じていることでも、実践の場で行動できておらず、ワールド・カフェという手法の存在価値を確認した参加者の方々も多かったようです。

テーマに対しても、参加した方々それぞれが現場に持ち帰ってホストをやってみたいという声も多く、今後さらにワールド・カフェが広がるきっかけとなる一体感ある場になったのではないでしょうか。

(レポート:坂本敬行)

工夫したこと、気をつけたこと

・ワールド・カフェ初体験の方が8割以上であったため、固くならないように少しゆるめの場作りを心掛けました。
・日曜日の朝ということで、穏やかな音楽、自然の音などが入ったイージーリスニングの曲を選曲し、のんびりした気分を演出しました。

・誰でもできるファシリテーターをイメージし、ファシリテーターのガイダンスはなるべく少なめに要点を絞って話すようにしました。

・第4ラウンドはしっかりと感想を語り合ってもらうため、全体シェアで付箋に書くことは直前まで伝えませんでした。

参加者の声

・初対面同士のグループだったのだが対話を通してまったく異なるグループに変化したのに驚いた。(藤田誠さん)

・メンバーを変えてセッションすることの面白さ。メンバーが違うと場の雰囲気がガラリと変わる。(大濱径子さん)

・楽しかった。その理由はプロセスが楽しかったから。しかし、結果をどのように捉えるかが不明。モヤモヤ感が残る。そういうものなのか、そうならばこの感覚がどの様に今度に影響するのか知りたい。(西村直哉さん)

・もう少しルールがあり、ファシリテーターが前に出てと、やらされている感もあるかと思っていましたが、非常に自由な空間の中楽しく参加させて頂きました。あっという間の3時間でした。年齢、所属に関係なく、皆が楽しめる素敵な場であったと思います。(岸昌史さん)

・今日参加するまではワールド・カフェに対して半信半疑でした。ワールド・カフェは結論を求めないという点をきていたので、どう理解したらいいかわからなかったからです。ただ実際に体験したり、ワールドカフェについての他の社会人の方の話を聞いて、組織を横につないだり、自分を振り返るのに適した手段であることがわかりました。(匿名)

・今日ははじめての参加でしたが非常にリラックスして参加できたこと楽しく過ごせたことが印象的でした。「楽しい」「自然体」なことが次へとつながるんだなと改めて実感しました。(匿名)

・参加されている方々が非常に積極的でかつ表情が明るいことが印象的でした。"受け入れる"ということの大切さもとても感じました。人の意見をいかに聞き出すか、そこにポイントがあるのですね。(匿名)

・とても雰囲気が良く楽しく話し合えたことが印象に残りました。初めてあったいろいろな立場の方とのオープンマインドでお話できたのではワールド・カフェの方法だからだと思います。(匿名)