【レポート】4/24(日)ワールド・カフェ・ファシリテーター養成1Dayコース 「ワールド・カフェのつくりかた」開催レポート
開催概要
●タイトル: ワールド・カフェ・ファシリテーター養成1Dayコース「ワールド・カフェのつくりかた」
●主催: ダイナミクス・オブ・ダイアログLLP
●日時: 2011年4月24日(日) 10:00~18:00
●場所: 豊島区立舞台芸術交流センター あうるすぽっと 会議室B2
●会費: 一般参加 20,000円 法人参加 30,000円
●参加人数: 参加者 18名、スタッフ 3名
●開催意図
途中内容を刷新しながらも、同タイトルで5回目の開催となりました。毎回、様々な分野で活躍されている方がワールド・カフェを現場で開催したいという思いをもって参加してくれています。
このコースでは、私たちが「教える」のではなく、参加者同士の対話を中心に、様々な疑問や悩みを共有し、経験談や意見を交換しながら、主体的に「気づき、学んでもらう」場となるように設計してあります。
当日の様子
▼いつも通り、お菓子コーナーも準備ができ、参加者の方はほぼ時間通りに集まっていただき、定刻10:00のスタートとなりました。
このコースは、レクチャー中心ではなく、参加者全員で対話をしながら、ワールド・カフェ的にワークを進めていくのが特徴です。タイトルの通り、ワークショップを通して参加者みなさんが自分のワールド・カフェをつくれるようになることを目的としています。
今回は、ワールド・カフェそのものを初体験の方も多くいらっしゃったので、ワールド・カフェの体験からスタートです。原理を知ってもらう前に体験してもらうことからはじめめることで、より後でお伝えする原理について理解が深まると考えました。
1R、2Rの問いは、「なぜワールド・カフェに興味を持ったのでしょうか?」です。自己紹介も兼ねています。
最初は、初体験の方も多いせいか、少し緊張した様子でスタートしました。それも1R過ぎ2Rがはじまるころにはワイガヤの状態になり、参加者の方々の調子も上がってきて、対話にもリズムが生まれてきたように感じました。
3Rの問いは、「なぜ今対話なのでしょうか?」です。そもそもワールド・カフェをつくろうと考えている方であれば、ワールド・カフェが対話の手法のひとつであることを前提にどんなテーマ・目的のためにワ^ルド・カフェを開催するのか考えなければなりません。ここで手法を学ぶ前に、本質的なテーマを話しておいていただきたいという意図がありました。
終了後は、気づきをテーブル毎に共有してもらい、ワールド・カフェ体験は終了です。
▼一通り体験をしていただいた後に、ワールド・カフェのストーリーとガイドラインなど基本的なガイダンスを行いました。
さらに、ワールド・カフェの7つの原理について動画を用いて説明しました。7つの原理については、ただ読んで流すのではなく、しっかりと覚えておいて欲しい本質的な原理ですので、インプットの量が多いパートです。
そこで、改めてワールド・カフェの進め方を確認し、ワールド・カフェの原理については終了です。
午前中の最後、ワールド・カフェに対する期待、欲しい成果などについて対話してもらいました。午後の目的のパートにつながる大事な問いです。
ランチ休憩の際は、積極的に一緒に出掛けられる方も多く、午前中の時点でワールド・カフェをつくる仲間としてつながりができているのが印象的で、主催者としても嬉しい瞬間です。
▼午後は、目的を考え、確認する重要なパートです。何のためにワールド・カフェをやってみようと思ったのか?を考えてもらうことで、ワールド・カフェの手法を最大限活用し、目的に近づけることができるからです。
その前に、ワールド・カフェの準備段階で必要なことは何か?ということについて対話してもらいました。できるだけ実際に自分たちでワールド・カフェをつくり、考えるプロセスに近づけて、共有する意図を持っています。
同様に、ワールド・カフェの適するケースについても対話し、より現実的なレベルに落とし込んでいけるよう気づきを増やしていきます。
ここまでに描かれた模造紙を会場の壁に貼りだし、いつでも見れるようにし、ワールド・カフェの雰囲気づくりはもちろん、ここまでの気づきを振り返れるようになっています。
▼次に目的、問いについて探求する時間です。まず最初に、それぞれが抱えている背景やストーリー、そしてワールド・カフェを行いたいと考えているテーマについて対話をしてもらい、改めてワールド・カフェという手法をどのように用いればいいのかなどについて考えを深めてもらいました。
その後は、個人ワークの時間をしっかりとって、ワールド・カフェという手法を用いて何かを成し遂げようというそれぞれの思いの背景にある大きな目的について考えてもらいます。
手法が活きるには、手法の効果と目的が一致したときです。そして、その目的も大きなレベルと詳細化したレベルがあります。ワールド・カフェという手法は決して万能ではありませんが、その目的が合致したときには大きな効果を発揮することも知っています。それを確認してもらうことで、より一層ワールド・カフェという手法、しいては対話の重要性を感じてもらえるのではないかというプロセスを踏んでいます。
それらができたら、目的を詳細化して、ワールド・カフェを開催する上での目的、テーマについて探求してもらいました。
▼この段階までくると、大きな目的とその文脈におけるワールド・カフェの位置づけが見えてくる方も多いため、みなさんワークそのものも自然とペンが進み、どんどん具体化されていきます。なぜワールド・カフェを活かそうと思ったのか、それぞれの思いに気づくことで、自然とワールド・カフェの設計ができてきます。
その流れで、それぞれのワールド・カフェの問いを立ててもらい、テーブル内で共有してもらいました。
次に、ファシリテーターのあり方について対話してもらい、ワールド・カフェにおける理想的なファシリテーターとは?を探求していただきます。
その後に、ご自身がファシリテーターをするならばという設定で、30秒即興ファシリテーションにチャレンジしていただきました。
▼短い時間ですが、参加者みなさんのひとりひとりの良さを互いに確認し合い、実際にファシリテーターをするときのヒントをお持ち帰りいただければという意図でしたが、信頼関係もできあがっており、本当に短い時間でしたがみなさん個性を発揮し、活気あふれる場となりました。
最後に、参加者の方のそれぞれの企画をまとめていただき、それぞれ作成した企画シートをもとに、これから開催するワールド・カフェを全体で共有してもらい、1Dayワークショップ終了です。
1日を通して、対話とワークの繰り返しでしたが、場全体が最後まで笑顔いっぱいで、多くの気づきをお持ち帰りになられたのではないかと思います。
問いの立て方、ファシリテーターとしての実践など、まだまだお伝えしたいこと、一緒に学びたいことは大変多くありますし、ご要望も大変多くいただいております。今後、ますます新たなワークショップや場を提供していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
スタッフ一同、参加者のみなさまの積極的かつ協力的な姿勢に感謝を申し上げます。
参加者の声
●とにかく時間の流れが速かったことです。多くの方が「話したい」「話すこと/場」が大切と感じていらっしゃることにも、気が付くことができました。(西原榮美さん)
●ワールド・カフェ体験は3回目ですが、WCのしくみやルールの持つ可能性を感じるとともに、ファシリテーターによって大きく変わる可能性も感じました。本日のファシリテーターは、自由にリラックスして対話できる場を作っていただいたように思います。ありがとうございました。(匿名)
●ワールド・カフェは、ファシリテーターの力量が大きく出来を左右しそうなこと。事前の準備、当日のおもてなしの心を持ちつつ、全体をみて進めることなど、やるべきことが多いことに気づかされました。(匿名)
●これまでにも研修の中でワールド・カフェを実施していましたが、改めて今回一から学んで、いろいろな可能性を感じることができました。組織開発の手法として、職場内のコミュニケーション活性化の方策にも大いに活用することを提案し、実践にこぎつけたいと思いました。(匿名)
●「問い」を立てるということ。問いによって、そのワールド・カフェの良し悪しが変わるというか、気づきの深さが変わるように感じました。(堀田朋之さん)
●1日で具体的にどう進めるべきか分かりました。場のつくりかたが一番重要なのかなと思いました。全体共有の部分が少なかったので、もう少し聞きたかったです。(匿名)
●先生がとても受容的で安心した場のつくりかたのお手本になりました。(匿名)
●参加者や場を信じて委ねることは、カウンセリングと同じだなとあらためて感じました。スキルだけではない"人として"が、ファシリテーターには重要だと思いました。(匿名)
●対話を通して"気づき"を得たことです。互いにバックグランドが違い、なおかつ初対面にも関わらず、深い理解につながったことはおどろきでした。また、それは、人の話を聴くということの大切さ、価値に気づくことでもありました。(白川辰勇さん)
●ファシリテーターの役割、場を信じる、委ねて待つということがわかりました。実際にやるのは難しいと思いますが、疑問に思っていたことが解消されました。ありがとうございました。(匿名)
●非常に有意義に楽しい時間でした。7hを話し合いで過ごし、しかも楽しいとは。改めて、ワールド・カフェの威力を知りました。(稲見嘉代さん)
その他の皆様からも多くのご意見、ご感想をいただきました。
皆様、ご参加ありがとうございました!