Vol.39 人に元気を与える人と、人の力を奪う人

最近、ある若い女性から相談を受けました。
その相談は「上司からの自分へのダメ出しが多く、辛い」というものでした。
ですが、その女性は、私から見ると仕事も速く、人への配慮もできるタイプの女性です。

彼女がなぜダメ出しばかりされるのか?

私は疑問に思いながら相談にのりました。
ひと通り彼女の話を聴き切ってみましたら、彼女は、
「悩みを全て吐き出したら、元気になりました!」
と帰っていきました。

少し心配だったので、上司がどのような方なのか、周囲の方に聞いてみました。
そこで出てきた話は...

・以前も上司のダメ出しに悩みを抱えていた部下がいた
・指摘は正しいので、相手には逃げ場がない
・完璧主義で周囲にも高いレベルを求めている
・彼女に高い成果を出して欲しいと思い、厳しく接している

ということでした。

厳しく育成する、褒めて伸ばす、具体的な指示はせず考えさせる等々、
育成のやり方は様々で、相手やタイミングによってもそれは変わります。
しかし、経験上、ダメ出しばかりで「何くそ!」と頑張れるのはホンの一握りです。

私の昔の上司に、褒め上手な上司がいました。
その上司の第一声は「Aさんの◯◯はいいよね~」から会話が始まります。
もちろん部下の私たちに対してもです。
その上司の下では「ダメ」のレッテルを貼られていた社員の逆転劇
見られることも有名で、周囲にはイキイキと働いている人が多く、
笑いもたえなかったのを覚えています。

「人に元気を与える人」は、その人がいるだけで場が明るくなったり、
その人と話すだけで元気が出たりやる気がみなぎってくる、という人です。
一方で「人の力を奪う人」は、その人がいるだけで場がピリピリしたり暗くなる、
その人と話すだけでなんだか元気を奪われたような感じになりやる気がなくなる、という人です。

彼女の上司の良かれと思ってやっていることは、彼女の力を奪っていました。
私の昔の褒め上手の上司は、人に元気とやる気を与えてくれていました。

誰かに関わるとき、あなたはどちらの人と見られているでしょうか
できれば「あなたがいるだけで場が明るくなる」という存在になりたいですね。

(DODパートナー:折口みゆき)