コラム vol.112「時代の変化と本来求めていること」

私は、いわゆる団塊ジュニアと呼ばれる世代なのですが、実はいろいろな変化をリアルに目撃・体験している世代でもあります。

例えば小さい頃は、「カセット」や「レコード」を聞いて育ちましたが、それがMD、CDに、そしてデジタルオーディオプレイヤーやスマホへと、音楽を聴く環境は、次から次へと変わっていきました。

ビデオも、小さい頃我が家にはソニーの「ベータ」の大きなビデオカメラがあり、誕生日やクリスマス会などはそれで録画していました。
うちの長男が生まれた頃は「8mm」のビデオカメラで撮っていて、今でもそのカセットが残っています。
今はもちろんスマホや、HDDやSDカードに録画できるカメラです。

動画の記録・再生メディアも、ベータ、VHS、DVD、HDD、ブルーレイと変わってきましたが、今はNetflixやHuluなどに入っているので、そういう記録メディアそのものを見ることが無くなってきました。

電話に関しても、大変化を遂げています。
中学までは家の電話だけ。高校に入ってから「ポケベル」を使いはじめ、好きな男の子の家に電話をするときは「テレフォンカード」を持って、「公衆電話」からかけていました。
その後携帯を持つようになり、その携帯自体も衝撃的なほど大きく変化を遂げていますよね。
さらに今は無料で使えるビデオ通話アプリがたくさんあります。

そして、ゲーム。
ゲームウォッチやファミリーコンピューターは発売された直後に買ってもらい、当時はとにかくひたすらゲームをして遊んでいました。
スーパーマリオやドラクエ1で、土曜日に何度徹夜したことか。。。
それからもゲームボーイ、スーパーファミコン、そのあとは子どもたちの親として、ついていけないほど数々のゲームが家の中にありました。。。

と、前置きが大分長くなりましたが、そんな風に、ちょっと思い返すだけでも、大きな変化とともに生きてきた世代なんだなあとあらためて思っています。

ただ、ここまで書いたことって、大きく変わってはいるものの、全部手段というか、ハードやメディアの話なんですよね。
手段は、どんどん高機能になって、洗練されて、便利になっていますが、その「目的」というのは基本的にはあまり変わっていない気がします。

音楽を聴くことで何かしらの感情を味わうこと
大切な出来事を記録すること
映画やドラマを楽しむこと
離れている誰かとコミュニケーションを取ること
ゲームの世界を楽しむこと

そういう「目的」こそが、本来、私達が求めていること。
そう考えると、実は手段は何でもよかったりします。

例えば、最近「Dixit」というカードゲームを買ったのですが、これ、とってもアナログです。
お互いのカードを見えないようにして、親が言ったキーワードに合致するカードを当てるというシンプルなルールですが、これがとてもおもしろい。

家族でやってみると、想像以上に自分の発想が刺激されたり、相手の以外な一面が見れたりと、短い時間で充実したコミュニケーションがとれますし、もっといろんな人とやってみたいと思います。

こんな風に、今、アナログのゲームが人気になってきているそうです。
全国各地にボードゲームカフェがあったり、ボードゲームを体験できるイベントが開催されています。
婚活イベントにも取り入れられるケースが増えているそうです。
先程書いた「Dixit」などは、組織開発のツールとして取り入れているところもあるそうです。

これってやっぱりその「目的」として、「誰かと楽しくコミュニケーションしたい」という欲求が多くの人にあるからなのだと思います。
いろんなことが便利になっている今、下手したら人とコミュニケーションをとらなくても生活できてしまう人も少なくない。
そうなっているからこそ逆に、人と一緒にしかできないアナログゲームが、見直されているのではないかと思うのです。

アナログゲームの良さというのは、やっぱり直接のコミュニケーションがとれること。
そして、基本的にはどんな人でもプレイできるように作られていること。
相手のことをあまり知らなくても、ルールに従ってプレイしているうちに、お互いに知り合っていくことができます。
年齢も性別も、仕事も、身体的な特徴などもあまり関係なく、知らない人同士でも楽しくプレイできるって、あんまり他にないですよね。

そんなことを最近しみじみ思っているので、もう少し自分でいろいろなゲームを試してみて、誰でも参加できるようなゲームと対話をミックスしたイベントを企画してみたいと思っています。
その際はぜひ、遊びにいらしてくださいね!

(DODパートナー 大前みどり )