コラム vol.111「考えていることと感じていること」

10年ほど前に、産業カウンセラーの資格を取得したのですが、当時、自分の勉強のために参加したゲシュタルトセラピーのワークショップで、「考えていること」と「感じていること」というワークをしたことがあります。

これ、コーチやカウンセラーの方には当たり前に区別がつくことかもしれませんが、当時の私はその違いがわかっていませんでした。
今でも、あまり区別されていない方にお会いすることがよくあります。

そのとき取り組んだワークというのは、2人組で向かい合って座り、目の前の人を見て「今、感じること」を次々に言っていくというもの。

しかし「感じていること」という前提で話していても、口から出てくるのは「考えていること」ばかりです。
例えば、

 髪が短い、グレーの服を着ている、手を組んでいる、腕時計のフェイスが大きい

などなど、最初は今見ている目の前の人の描写が続きます。
だんだんネタが切れてくると、

 やさしそうな感じ、ほがらかな感じ、仕事ができそうな感じ

と受ける印象を話し出します。

でも、これらはすべて、「今、考えていること」だよと、その日のファシリテーターから指摘されました。
「今、感じていること」というのは、今この瞬間自分に起こっていること。
例えば、

 向かい合って目をあわせていると、どきどきする
 言葉が出てこないので、何か言わなくちゃとあせっている
 なんか体に力が入ってしまう

といったもの。
無理に、上の「考えていること」を「感じていること」に変換すると、

 (目の前の人の髪が短いのを見て、昔の彼氏を思い出して)なんだか落ち着かない
 (グレーの服が、亡くなった父親が来ていたセーターに似ているので)なつかしい気持ち
 (手を組んでいるので、拒絶されている気がして)ちょっとはらはらする
 (腕時計が元カレと同じものなので)どきっとした

といった感じになるでしょうか。

実は、この「感じていること」を話すには、「自己開示」をする勇気が必要になります。
素直に自分の気持ちを話すのは、それが初対面の人でもそうですし、毎日顔を合わせるような関係性だとなおさら難しいですよね。
どう思われるか気になるし、何か自分の弱みをさらけ出すみたいだし。
しかも、その「気になる」という気持ちさえ感じられずに、自動的にふたをして、人は考えていることのみだけを他者に伝える傾向があるようです。

なんだかややこしいですが・・・

ただ、これだけ情報が氾濫している時代、考える力ももちろん重要ですが、何かを決める時、この「感じる力」こそが自分の舵取りをしてくれると思うのです。
というわけで、毎回宣伝が続いてしまいますが、おもいっきりアタマとココロとカラダをゆるめて、「感じる力」を取り戻すワークショップを企画しました!

「アタマとココロとカラダをとことんゆるめる!」ワークショップ
http://world-cafe.net/event/post-102.html

今回は演出家の方を講師としてお招きしました。

人の微細な気持ちを、身体という楽器を使って表現する演劇から学べることは数限りなくあります!
ぜひお気軽に遊びにきてくださいね。

(DODパートナー 大前みどり )