Vol.37  前提を疑ってみる

こんにちは、DODパートナーの坂本敬行です。

「桜!」と聞けば、「花見!」と多くの方が答えるのでは。

先日ある企業の担当の方とやりとりをしたときに、こんな話が出ました。

「桜を見ると、なんだか気が滅入る。。。」

その会社では、繁忙のピークが4月のため、桜が満開になるということは、
ピークに突入したことを意味します。いよいよ大詰め、クライマックスの合図です。

人事部や研修講師の方々も、新入社員や新人研修で大忙しの時期ですね。

そのやりとりで感じたのが、「前提の違い」です。

対話の場や会議のファシリテーションをしていてよく出くわすのが
お互いに、それぞれの常識を前提に話をしていて、いつまでもすれ違い続ける光景です。

会議であれば、このままではいかん!とファシリテートしますが、対話の場ではそうもいきません。

例えば、
「桜」=「花見!」を常識だと思っている人は、
Aさん「桜満開だね~、花見行こう~、仕事は後々~」

「桜」=「繁忙期」の会社では、
Bさん「この時期は楽じゃないな~、なんとか乗り越えるぞ!」

こういった前提が、隠れたまま会話が始まったならば、

Aさん「やっぱこの時期は花見だよね~、仕事よりも花見だ~」
Bさん「(うちはそんな暇ないのに、この人とはあわないかもな~)」

と出だしでつまずきかねません。

ワールド・カフェのエチケットにもある通り、
「理解するために、良く聴く」ということは生成的な話し合いをする上で
欠かせない姿勢です。

私たちは、会社が違えばもちろん、部署が違うだけでも違う常識を持っています。
つまり、自分の前提となっている常識は、TPOによっては非常識である可能性が
高いということです。

"本来「どこでも誰にでもいつでも通用して当然」のはずの常識は
まさに場所と時間と個人といういわゆるTPOによって自在に変化することになります"

(細川功「やわらかい頭の作り方」より引用)

同じ桜を見ても、皆思うことはそれぞれ、、、

Aさん「桜満開で、私は花見気分だけど、Bさんはいかがですか?
Bさん「実は、弊社は花見どころじゃなくて〜、、

自分の常識は、相手には通用しないかもと思って話してみると、また新たな
発見や気づきがあるのではないでしょうか。

もしもあなたがファシリテーターであれば、対話の場や会議において、
参加者の前提の違いに注意を向けて観察してみてください。新たな視点を
身につけるトレーニングにもなりますのでオススメです。

P.S.花見を楽しむ方は、花粉対策を忘れずに!

DODパートナー:坂本敬行)