1/13(土)~1/14(日)開催 ネオ・ソクラティク・ダイアローグ(進行役:堀越耀介氏)

ネオ・ソクラティク・ダイアローグ(NSD)とは、1つのテーマについて参加者が自分たちで問いを立て、自らの経験に基づいて時間をかけて話し合いながら、みなが合意できる答えを導き出す哲学対話ワークショップです。5~8名の参加者で、通常数日かけて行います。

NSDの基本的な考え方を示したのは、ドイツの哲学者レオナルト・ネルゾンです。どんな知的権威にも頼らないで考えることが「哲学」の本当の在り方だという信念からこの方法を編み出しました。さらにネルゾンの弟子のグスタフ・ヘックマンという教育学者が一般市民にも広めました。1990年以降、ドイツ・イギリス・オランダなどで行われるようになり、特にオランダでは経営者やビジネスパーソンを相手に大きな成功を収めたと言われています。

NSDは、以下のようなステップで進んでいきます。

①テーマを主催者が示す。
②テーマに関しての例(自分が体験した経験)と、問いを参加者が出す。
③出し合った例と問いを、それぞれ一つ選ぶ。
④選ばれた例を詳しく記述し、その中から核になる文(core statement)を見つける。
⑤問いの答えを出し合い、対話によってグループとしてまとめる。


通常の哲学対話と比べると、NSDでは「1つの例に基づいて、問いの答えを探究し、その答えについて合意を目指す」というところに特徴があります。

進行役は内容にはタッチせず、参加者の発言を文章として定式化することを促します。
また議論が紛糾した場合は、参加者同士でどのように対話を進めればよいかを話し合って解消していきます。

今回は進行役に東京大学特任研究員の堀越耀介さんをお招きし、集まった参加者でテーマを出し合い、皆が関心を持てるテーマについて時間をかけて探究していきます。

じっくり聴いて考え、お互いの意見を吟味していくため「哲学すること」「対話すること」を深めていくことができます。哲学対話の進行役に必要な「聴く力」「問う力」をトレーニングする機会にもなります。

なお、今回のネオ・ソクラティク・ダイアローグは、講義を行うものではなく、1)NSDのプロセスを体験すること、2)体験からの学びを、各自が今後のよりよい哲学対話の実践につなげることを目的としているため、参加条件を設けております。以下の内容に同意できるかたのみの受付とさせていただきます。

<参加条件>
・遅刻早退なくすべてのセッションに参加できる
・テーマに関心がある
・積極的によりよい場づくりに協力する
・終了後のアンケートに協力する
・当日の録画録音や写真撮影を了承する
・当日の内容をレポートとして公開することを了承する

当日はクラウド上のファイルに進行役書き込みをしながら進めていきますので、文章を読めるPCやタブレット(難しい場合はスマホでも可)をご持参ください。

●参考:過去のNSDのテーマ(問い)

2023年9月:自信があるとはどういうことか?
2023年8月:罪悪感は何(誰)に対して感じるのか?
2023年7月:信頼するとはどういうことか?
2023年4月:伝わるどはどういうことか?
2023年3月:空気を読むとはどういうことか?
2023年1月:非常識とはどういうことか?
2022年10月:真面目とはどういうことか?
2022年9月:尊重するとはどういうことか?
2022年8月:理解するとはどういうことか?

●進行役プロフィール

堀越 耀介(ほりこし ようすけ)

東京大学共生のための国際哲学研究センター(UTCP)上廣共生寄付講座 特任研究員 / 独立行政法人日本学術振興会 特別研究員PD(明治大学)。東京大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。明治大学、静岡大学、武蔵野大学、横浜国立大学非常勤講師。専門は、教育哲学・哲学プラクティスで、特にジョン・デューイの哲学思想、「子どもとする哲学(P4C)」/ 哲学対話を研究。学校でのP4Cのほか、町や公共施設での哲学カフェ、企業での社員研修や哲学コンサルティングも行う。主な論文・著に“Philosophical Practices in Japan from School to Business Consultancy”(Philosophical Practice and Counselling 10(1) 5-33, 2020)、「哲学で開業する:哲学プラクティスが拓く哲学と仕事の閾」(『現代思想』 50(10) 98-107, 2022年)、『哲学はこう使う:問題解決に効く哲学思考入門』(実業之日本社、2020年)など。趣味は、バイク(中型)、スノーボード、ギター、水泳、自作パソコン、PlayStation、水耕栽培、廃墟探索。


●参考図書

『ソクラティク・ダイアローグ 対話の哲学に向けて』 堀江 剛 (著), 中岡 成文 (監修) 大阪大学出版会

『哲学はこう使う 問題解決に効く哲学思考「超」入門』 堀越 耀介 (著) 実業之日本社

開催
日時
2024年1月13日(土)10:00~20:00
    1月14日(日)10:00~18:00
会場東京体育館 第4会議室
https://www.tef.or.jp/tmg/access.html
JR総武線千駄ケ谷駅 すぐ
都営大江戸線国立競技場駅 すぐ
定員8名
参加費17,600円(消費税込、事前振込)
※お申し込み確定後、振込先の口座などが記載されたメールをお送りしますのでお手続きください。
キャンセル規定開催8日前までは全額返金いたします(返金の際の振込手数料はご負担ください)。
開催7日前以降のキャンセルは、返金致しかねます。予めご了承ください。
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