【レポート】3/20(水)「本音の対話」をつくる要素とステップ 開催レポート
開催概要
●日時 : 2013年3月20日(水) 13:00~17:00
●場所 : 新宿文化センター 会議室
●ファシリテーター: ダイナミクス・オブ・ダイアログLLP 折口みゆき
●参加人数: 9名
当日の様子
じっくり対話をするにはちょうどいい9名を、冒頭2グループ、途中から3グループに分けて、対話中心に進めたワークショップでした。
講師は組織活性化のコンサルティングや研修をしている折口みゆき(DoD パートナー)。自身の業務経験を元にしながら、本音の対話について考える4時間です。
●チェックイン
2グループに分かれて、グループごとに自己紹介。
今回は「最近あった嬉しかったこと、楽しかったこと」を披露していただきました。
自己紹介の後、講師から出された問いは「チェックインの効果は?」。
何の気なしに、当たり前にやっている自己紹介やチェックインについて改めて考えて意見交換。
ここで「自分自身に対してチェックイン(Check-in yourself)という新しい意見に納得の声が上がりました。自分がいまここにいることを認識し、感じる。そうすることで場に対してもチェックインできるというプロセスは、チェックインをすることの意味を深く考えさせられました。
また、事前に準備されたものではなく、その場で出てきた言葉や感情を表現することがチェックインの大事なところだとすれば、チェックインで何を話してもらうかを吟味することもまた重要なポイントである、との学びもありました。
●本音の対話とは?
そもそも「本音の対話って何?」というところから本編に入っていきました。
・本音ってなんだろう?
・対話するって何をすること?
そんなシンプルな問いを置きながら、グループごとに対話が進みました。
様々な専門性をもつ参加者のみなさんによって、深く、そして様々な視点からの話が飛び出し、発展的な対話が進んでいました。
講師から「いま対話になってました?」との問いに対して、「なってました!」と自信のある答え。お互いが相手の話を受け止め、その話からの発展がみられたこと。そして、否定されることもなく、ボール(話題)が転がり続けていた、という意見から、対話が順調になされていたことが伺えました。
そんな対話の振り返りの中で、「話しを独占するような人が出てきたらどうするの?」との質問。さらにグループで話し合い、興味深いアイデアが次々と出てきました。これはワールド・カフェをやっていても時々ある問題点。それぞれが興味深く話を聞いていたのが印象的でした。
●本音の対話にいたるステップとその方法
「なぜ人は本音の対話を躊躇するの?」という問いを基に、本音の対話が起こらない原因を探りながら、講師から本音の対話にいたるステップの紹介。さらに、それを実現するための具体的手法について、対話のシーン別に別れてアイデアを出し合いました。
希望を募った結果(1)会議(2)ワークショップ・研修(3)上司と部下も3グループに分かれることが決定。
講師よりアイデアの整理方法の枠組みが提示され、それに沿いながら約35分間のグループ対話が始まりました。
講師よりアイデアの整理方法の枠組みが提示され、それに沿いながら約35分間のグループ対話が始まりました。
すでにお互いを知り合い、様々な意見交換もした後だということもあり、早々に対話は盛り上がりました。圧倒的に開始直後とは違う雰囲気。話をする参加者のみなさんの顔も明らかに緊張が取れ、笑いも起こります。ジッと黙ってしまうシーンもありますが、そこに不安を感じることはなく、それぞれが何かを出そうとじっくり考えている姿がわかります。
休憩を挟んでグループごとに発表。1グループごとにメンバー全員で発表し、他のグループからのコメントをもらいながら、講師から新たな問いが飛び出します。一つの問いと発表から、深く広く対話が濃くなっていきます。
あるグループの発表を聞きながら、講師から提示されたステップの表現を自己流に解釈・翻訳しなおした方のご意見を拝聴。自分なりの解釈を加えた内容は、今日のポイントである内容をよく理解されている成果であったように思います。
●ホントに本音が出てきたら?!
本音で話してもらいたいというニーズはわかりますが、ホントに本音が出てきたらどうなるの?!
講師の体験談が披露されながら、本音の対話の後に起こること、その場のファシリテーターのあり方や覚悟に一石を投じる話は、参加者のみなさんの気を引き締めていたようです。
●最後に
グループのメンバーそれぞれが、他のメンバーを褒めながらコメントをして今回のワークショプは幕を閉じました。初めて開催した「対話を組織に活かす」シリーズ。普段、対話が大事だなあ、と思っている人に、改めて対話の価値と意味を考えてもらう、貴重はシリーズになりそうな予感がしました。
(文:中川繁勝)