【レポート】1/18 体感型ファシリテーション・ワークショップ~感性と存在感(プレゼンス)を磨く!~
開催概要
●タイトル: 体感型ファシリテーション・ワークショップ~感性と存在感(プレゼンス)を磨く!~
●主催: ダイナミクス・オブ・ダイアログLLP
●日時: 2014年1月18日(土)10:00~18:00
●場所: 新宿文化センター
●参加人数: 参加者 4名
●ゲスト・ファシリテーター:近藤直樹(こんどうなおき)氏
Be@work代表、組織開発対話ファシリテーター、エグゼクティブコーチ
※開催案内はこちら≫
当日の様子
キャンセルなどもあり、4名という少人数での開催となったものの、自然に打ち解けながらのスタートとなりました。今回のワークショップの目指すところは下記のようなところです。
●直感を丁寧に観察する
ファシリテーターの近藤さんからのオリエンテーションの後、早速最初の直感を磨くための「海/山のワーク」。参加者の中で、「海」「山」という選択肢があったら、どちらを選ぶか直感だけで決めて、何を選んだかを話さずに、同じものを選んだ人同士でグループになるというものです。
これはやってみて、本当におもしろなあと思いました。というのは「直感があたっていたかどうか」が重要なのではなく、振り返りの際に「自分はどんな内的プロセスを経てどちらに決めたのか?」というのを丁寧に振り返ることで、普段無意識に行ってしまっているパターンに気づくための大いなるヒントを得られるからです。「海/山」だけでなく、「犬/猫」、「和食/洋食」などの選択肢が続きました。
ちなみにレポート筆者(DOD大前)の場合、その人の顔、体系、年齢やファッション、当日それまでに発した言動等、目に見える情報から「この人はきっとこういう人だろう」という自分なりの仮説をたて、自分なりに「こういう人は海が好き、こういう人は山が好き」というもともと持っている「想定」をのせて、判断していたということが後から振り返ってわかりました。選んだときは「直感」と思っているのですが、案外そうではなく、無意識のパターンによって自分が動かされているということがわかりました。普段からこういうことを、いろいろな場面でやってしまっているのでしょうね、きっと(良い意味でも悪い意味でも)。
●自分の空間特性(場における存在感)って?
続いて、その人のプレゼンスがどこまで場をホールドできるかを試す「こんにちはのワーク」です。
これは参加者が後ろ向きに立ち、その背中に向かってファシリテーター役の人が様々な声の出し方で「こんにちは」と発するワークです。参加者が「自分が言われた」と思ったときに手をあげることで、人に届く声の発し方や声を発するための自分の意識の向け方、置き方など、を何度も試すことができ、すぐその場でフィードバックを得られます。
自分がどんな空間特性を持っているか(どんな風に発するとどんな風に人に伝わるか)を知るための、貴重な機会となりました。筆者の場合、「場を包もう」という意識をすると、それが逆に「意図的な何かを感じる」というフィードバックをいただき、「地面に向かって声を出すつもりで」声を発すると、逆に自然な声のトーンになるのか、伝わりやすいという傾向がありました。
●ファシリテーションの実践(自分のテーマを扱う)
お昼を挟んで「推論のはしご」や「メンタルモデル」などについて解説があったあと、いよいよ場を扱う実践トレーニングに入ります。
ファシリテーターとしての自分なりのテーマ(どんなことがもう少しうまく扱えるようになりたいか等)を設定し、ダイアログの場をファシリテーション。振り返りでメンバーから、様々なフィードバックを受け取りました。
このセッションで印象的だったのは、デモセッションのようでいて、とても真剣で段々と深化するダイアログが行われていたことです。各ファシリテーター役の人が設定するダイアログのテーマがそれぞれ、その日参加していた人たちがお互いに深く知りあって意味を共有するような、自然な流れができていました。
●ファシリテーション実践(葛藤を扱う)
そして最後は、葛藤や対立を扱うためのセッション。先ほどと同じようにテーマを設定してダイアログの場をファシリテーションするのですが、「ファシリテーターとして自分がこういう状況が一番困る!」という状況を設定し、参加者がその「困る人」のロールを演じるというものです。
みなさん、ロールなのか天然なのかわからないくらい自然な演技で、ファシリテーターが「やばい、どうしよう!」とあせってしまう参加者役を充分にこなしていたからか、ふりかえりの時間はとても実り多いものとなりました。
ファシリテーター役でなく、参加者としても、介入された時に、自分の中に何が起きているかをこまかく感覚にフォーカスを当てて振り返ることで、自分なりの介入のしかたを学べるよい機会となりました。
今回、初めての「体感型ファシリテーション」をテーマにしたワークショップでしたが、こういった「ノウハウとして形式知化できない、微細な感覚を伴うもの」をどう扱っていくかというのは、DODで引き続き探求していきたいテーマです。
ファシリテーターの近藤さん、参加者のみなさま、非常に充実した、体に刻まれるような時間を、ありがとうございました!
(文責: DOD 大前みどり)