プレイベント第3弾 「Dialogue on Dialogue ~ワールド・カフェで対話を味わう~」開催報告

開催概要

●タイトル: ワールド・カフェ・ウィーク2010 プレイベント第3弾
●主催: ワールド・カフェ・ウィーク実行委員会
●日時: 2010年4月21日(水) 19:00~21:30
●場所: 東池袋あうるすぽっと
●会費: 2,000円

●ファシリテーター: ワールド・カフェ・ウィーク実行委員 坂井裕紀
●参加人数: 17名 (スタッフ含む) 4テーブル
●テーマ: 「Dialogue on Dialogue ~ワールド・カフェで対話を味わう~」
●ラウンド数: プレゼンテーション+3ラウンド+全体ダイアローグ

●問い
ワールドカフェ中
・対話の魅力
・対話の経験
・対話の可能性
・対話の場に参加する理由
・対話を好きになったきっかけ
以上の中から、各テーブルで選択

全体ダイアローグ
問1.あなたにとって対話とは何ですか?
問2.私達に対話とは必要なものでしょうか?

●問いの意図
・様々な人達が参加する中で「対話」というものについて、何かに限定されること無く、できるだけ自由に発散して欲しいという意図からワールドカフェ中には、複数のテーマを用意しておき各自、自由にテーマを選択できるようにしました。
また、全体共有の時間に全体ダイアローグとし、ここでは二つの問いを準備しました。

一つ目のテーマ「あなたにとって対話とは何ですか?」というのは、ワールドカフェ中の知識と体験を基に対話に対する自分なりの答えを発見、あるいは強化していただこうと考え、準備しました。

二つ目のテーマ「私達に対話とは必要なものでしょうか?」というのは、対話が必要な人もいれば必要じゃない人もいる。それは人によって、状況によって違うんだということを全体で共有することで、より対話を考える機会になると考え、準備しました。

 -ワールドカフェの知識を学びに来た人
 -対話そのものを学びに来た人
 -自分のもっている知識を皆に伝えたい人
 -自分の価値観をみんなと共有したい人
 -他の方の学びや気づきを促進したい人
 -自分に気づきを与えてくれる瞬間を期待してる人
 -対話そのものより対話に興味がある人に興味がある人
 -自分がファシリテーター役をするための参考にしたい人
 -ワールドカフェを楽みたくて参加した人

などなど、多様な知識や経験を持った参加者が集まったので、自分と異なる姿勢や価値観の人が、自分にどのような影響を与えるかを感じる機会にもなったのではないかと感じています。

当日の様子

最初に、お互いに簡単に自己紹介。

その後、ダイアローグオンダイアローグというテーマで簡単に「対話の定義、形式、流れ、楽しく過ごす為の注意事項等」についてプレゼンテーションを行いました。

次に、ワールドカフェ実行委員の喜安さんと神山さんから対話に関する思いを語っていただきました。

ワールドカフェ開始。
1ラウンド目では、自己紹介をしたテーブルにおいて対話についてテーマを選んでいただき、話を始めていただきました。
最初に何を話そうかという風に戸惑っているテーブルもあれば、待ってましたとばかりに話を開始する人と様々な様子が伺えます。

040.JPG

2ラウンド目では、自分の好きなテーブルに移動してもらい、更に話を続けていただきました。
最初のテーブルで話したことをテーマにしているテーブルもあれば、異なる話に発展していくテーブルもありました。1ラウンド目に比べて場が盛り上がる様子が伺えました。

041.JPG

3ラウンド目は、最初のテーブルに戻って更に対話を深めました。
最初のテーブルで発言していなかった人も活発に発言したり、他のテーブルで話した内容をテーマにしたり、深い対話に入ったテーブルもあれば膠着しているテーブルも見受けられました。

056.JPG

次に、全員が会場を黙って回遊し、参加できなかったテーブルの模造紙も確認します。
近くの人とペアになっていただき、今日感じたことを振り返り。

060.JPG

全体ダイアローグとして、模造紙を囲んで全員で一つの円をつくり、あなたにとって対話とは何ですか?などについて対話をし、参加者一人ひとりの対話の必要性について深めてもらいました。最後に、参加して印象に残ったことをそれぞれ記入した人から自由解散。

068.JPG

(レポート:坂井裕紀)

工夫したこと、気をつけたこと

・今回は、対話についての対話。
ともすれば、対話について互いの知識の深さをひけらかす事だけに終始なってしまう可能性があったので、それを何処まで払拭するのかが課題でした。
というのも、今回は参加者全員(ファシリテータを含む)が、一人ひとり対話というものをみんな一緒に味わおうというコンセプトがあったからです。

その為に、ワールドカフェ中には問いを限定せずに、対話について自由に語ってもらうことにしました。
また、出来るだけ多くの時間、対話に触れていただきたいので、アイスブレイクの時間に、互いの自己紹介(今日、呼ばれたい名前のみ)を簡単にしていただき「今日は、何を期待しているのか」を各テーブルで共有していただきました。

・今回の1、2時間に対話をコンパクトにまとめることなく、できるだけ自然に対話が始まり、時間が来た所で中断するということを心がけました。また、対話というものが安易に回答を得ることが無い(押し付けない)ように心がけていました。そうすれば、参加した方が、このような限られた場で終わることく、好きなときに好きな場所で誰とでも自分の思いを話しやすくなるきっかけになると考えました。

・ファシリテーター役の私が、この場に何らかのスッキリ感や高揚感、または納得を齎すことをすることが無いように、私も参加者の一人として場に参加し、参加者全体で場を創りあげることにしました。
これは、概ね功を奏したと感じています。というのも、会の終了後、皆さんが、テーマについて各々が話し合っている様子を沢山、観ることが出来たからです。

・メインテーマである「対話の対話」に対する姿勢や価値観が参加者ごとに異なることは勿論だが、参加動機にも温度差がある為、対話(または、その周辺)の造詣が深い方からすれば、物足りないように感じたのではないかとも拝察しています。

参加者の声

●Mさん
対話の「可能性」のようなものが、話の流れによって少なくとも2つはあったこと
1.一体感、分ち合い(情緒)など
2.気持ち、自分の内的な変容
対話の有り無しは、人の生き方によるかな、と思った。必要ない人もいるかもな、と。

●鈴木伸行さん
メール、電話も対話になるのか?という問いに対してYesの方もいればNoの方も居る。そのどちらの人の意見も尊重できる場がワールドカフェなんだなということを感じられました。
対話って何?といいうのは自己実現をしようと同じことなのかもしれないとふと感じました。
いい時間をありがとうございました。
坂井さんのファシリテート、とてもよかったです。

●Nさん
対話の意味、大切さを知りました。
良い、悪い、正誤ではないと。
その人の思い、考えを聞く、話すことで良い関係が作れると思いました。
ワールドカフェの広がりを期待しています。

●神山大輔さん
自分の思いが自然と出たこと
新たな気づきが、すんなり自分の腹に落ちたこと。
今日、得たものが自分の行動に変化を与える。
これが、対話をしたんだなと思う瞬間、単なる文字や情報を得ただけでは行動に変容は起こらない。
元気になりました!!

●Oさん
対話したくない時ほど、対話が必要な時がある、という言葉が印象的でした。
理由としては、自分も全く同感だったから、、、、、
対話はクウキカン、気持ちのやり取りということであることに加え、"対"の字が表するように何か真剣に向き合う必要があるという感じがするのです。また、参加したいです。

●村上達志さん
時間が短く感じられた。
この良い雰囲気、一体感の原因は何か?
ワールドカフェについてもっと知りたい。

●Sさん
2ターン目の対話。
どうやら対話の魅力を話しながら、その魅力をその瞬間に体験してしまったみたい。
対話のもつ力、気づき、何かにつながる感覚を共有できた気がします。
さらに、最後のペアでの話のときに
「対話のもつ力、気づき、何かにつながる感覚を共有できた」
ことを伝えたいと思ったら、
まさに私の身振り手振り、抑揚なんかが、私にとっては対話です。
といわれたのが、更なる気づきでした。
わかりにくいですが、、、、、
2ターン目で話しやすかった理由はきっと、ワールドカフェウィークの実行委員のお二人がいらっしゃったから。
ファシリテーション的な要素がないと、どうしてもわき道にずれすぎてしまうのかな?とホームの方のターンでは感じました。
どうもありがとうございました!!

●Wさん
対話は、自分自身を知ることができるのと、まわりとの一体感を生むことができると思いました。
理由は、参加することでますます対話・ワールドカフェにひきこまれているなと思うことが出来たし、初めて会った人同士なのに、笑顔でしゃべりみなさんがキラキラしているからです。
もっともっと世の中に対話が増えていけばいいと思います。

●石田義人さん
・様々な価値観が共有できた。
・対話は基本的にスッキリする有効な手段であり、課題解決のヒントが生まれる可能性も秘めている。
・人を知る一つの有効手段だと思った。
・知らない人と早く打ち解ける、または考えや意識を共有できる。
・ワールドカフェから、課題解決につなげる手法が見えればよい。

●Nさん
対話とは自己変革のきっかけである。
何故なら、自尊心、自己肯定感の回復につながる。
また、自己の役割に気づくきっかけとなる。
収束フェイズにおける、ファシリテーションの方法を知りたい。
コンテキストとコンテンツの違い、コミュニケーションツールのそれぞれの役割がわかった。
対話をすべき局面はどこか、わかった。

●大矢正志さん
対話の可能性。
人と人との良いエネルギーの循環を自分は目指していることをより感じた。
このような研修にメンバーとして参加するのは楽しいですね。ただ、構造や仕掛けが見えてしまうので自分のコントロールに苦労しました。

●サトウナルオミさん
対話とはコンテキストを共有化すること、これを再認識できました。
ワールドカフェの効果、ワールドカフェが生きる場面、ワールドカフェの必要性をもっともっと知りたいと思います。

●喜安克敏さん
ファシリテーターの感じたことの話が少し多いと思った。参加者のペースに合わせていく、参加者の発言で進めていくでO.Kだと思った。
最後の円のスティックのやりとりはとても今日の場のいい一体感を表していて、いい振り返りだった。
真ん中の模造紙をおくのはO.K

●Tさん
・対話するとき「仲良く喧嘩」を意識して対話する。
 自分の言いたい事だけを主張するのではなく、相手の意思もちゃんと認めればお互いにとって成長になる。
・対話は、人とのつながりの手段。
 親、兄弟であれば、対話が無くても切っても切れないものだと思うが、それ以外の人との対話が無くなれば、つながりはなくなると思うから。対話は重要である!!

●竹内正人さん
ワールドカフェの大切な流れが理解できた。
僧侶の方と、生と死の対の立場にありながら意見が噛み合うことがあったこと。(私は産科医です)
様々な職種、立場の方と話せたのが良かったです。限られた時間の中でファシリテーターとして、場をまとめずに終えてゆくことの大切さと(多分、自分で運営したときに)難しさを感じました。