vol.90「マインドフルで問題に対峙する」
何か問題が起きると、こんな質問を投げかけてしまいませんか?
ほとんどの場合、まず最初にアウトサイド・インの外的なアプローチや即効性のある手段がないかに注意を向けてしまいます。そして、想定外や望み通りにならなければ、起きた出来事を「問題」であると思い込んでしまいます。
もしもどんな時でもマインドフルを実現していたければ、こんな時でも、常にインサイド・アウトで考えられる自分でいることが重要になってきます。すなわち、自分の中心から注意を逸らさずに、あくまでも自分の中心からその出来事を観察する力を身につけることです。
そのためには、出来事を問題として認識する以前に、事実として何が起きてるかを自分なりに見極めることです。
次に、何ができるかを性急に考えずに、まずは自分の態度を決めることです。
マインドフルを実現するということは、自分自身であり続けると言い換えることもできます。周囲が問題だと騒ぎ立てても、いかに自分なりに客観的に状況把握し、その出来事の行き先と自らにアイデアが生まれるかどうかを観察し、独自の主張、意見を明確にします。
外側に原因を求める問いを投げかけて、問題を自分の外側に置いてしまうと、その人独自のあり方や価値観ではなく、周囲の反応的な流れにハンドルを奪われてしまい、外側からの一時的解決策でやり過ごすことになります。これを繰り返すと、習慣的になっていき、マインドフルで"今ここ"の状態でなくなっていきます。
過酷な労働環境においても同様ですが、事前にこういったあり方や考え方を全く知らずに環境に埋没してしまうと、なかなかアウトサイド・インから抜け出せなくなり、捕らわれてしまいます。
そういう意味では、学生時代はもちろんのこと、できるだけ新入社員として入社時にエッセンスを学び、実践していくのが望ましいでしょう。入社時は、どうしてもスキルに傾倒し、対処的に知っておくべきことから学ぶプログラムになりがちですが、同時にあり方を真剣に学ぶ機会があるならば、その後を左右するかもしれません。
(DODパートナー:坂本敬行)