Vol.84「7つのA」

かれこれ、10年以上前の話になるのですが、とある国際シンポジウムに参加しました。
そこでは、 以前NHKラジオ「やさしいビジネス英語」の講師をしていた ダーシー・アンダーソンさんの 「Develop Your Assertiveness」というセッションがありました。

内容はほとんど覚えていないのですが、その中ででてきた「7つのA」というお話がとても印象に残っていて、自分自身の過去のブログの中にそのときのメモを見つけたのでご紹介します。
人の関わり方の7段階を表しているものです。

1 Apathy (無関心)
2 Amiable (親しみやすい)
3 Assertive (適切な自己主張をする)
4 Aggressive (積極的、ときに攻撃的)
5 Abrasive (神経を逆なでする)
6 A××hole (これは伏字にしておきます...)
7 Annette (筆舌につくしがたいほどの...)

この他、Arrogant(横柄な、傲慢な) が4と5の間くらいにあってもよいような感じもしますね。

ちなみに、7のAnnetteというのは、ダーシーさんがこれまでの人生の中で最も受け入れられなかった人物で、「Annettteの一挙手一投足のすべてが私をおかしくさせるのだ」と言って会場から笑いを誘っていました。

当時は、自分がたまに4~5に行ってしまうことがあり、そこを意識して気をつけて適切な自己主張をできるようにならなくちゃと思ってメモをとっていました。

さて、ここからが本題です。
上に書いたような5~7と思えるような人と出会うと、「イライラ」とか「カチン」とか「むかっ」ときますよね。

でも、よく「他人は鏡」と言われます。
なのでそういった人に出会ったとき、「自分の中にある嫌な部分を見ているからだ」と考えようとしても、「そんなところ自分にはないよなあ...」と思ってしまうことがあります。
そんなときはやっぱり感情的に受け入れられません。
「イライラ」「カチン」「むかっ」という反応は消えません。

そういうときは、もう一段階、ステップを挟んであげるとよいのかなと思います。

『誰が世界を変えるのか』(英治出版)
www.amazon.co.jp/dp/4862760368
という本で紹介されている方法です。

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まず、誰か知っている人で、あなたを理不尽にイライラさせる人物を思い浮かべる。
仮にマーヴィンという名前にしよう。あなたはたいていの人とうまくつきあえるが、 マーヴィンだけは黒板を爪でひっかいたようにあなたの神経にさわる。

さて、一枚の紙にマーヴィンのイライラする特徴を表す形容詞をリストアップしてほしい。
遠慮せずに、ときどきそう思うように、辛辣に。

今度は、そのリストのすぐ隣に、正反対の特徴を書きこんでいく。
一番目の項目が「ケチ」だったら「気前がいい」、二番目が「臆病」なら「勇敢」というように。

最後まで反対語を書き終わったら、その反対語のリストを読み上げてほしい。
ちょっとした驚きを感じないだろうか?

一般的に、反対語のリストは、もっとも誇りにしている自分の特徴になるのだ。
この実験は、マーヴィンに対するアンバランスな苛立ちを洞察する手がかりになるはずだ。
もし自分が、気前よくあろうと懸命に努力してきたのなら、 自分自身の中にあるケチになりたいという気持ちを抑圧してきたことになる。
勇敢さを誇っているなら、自分や他人が臆病な行動に走ることに対して 手厳しくなるだろう。

(中略)
人は誰でも、あらゆる人間的な反応をする力が備わっているほうが、強くなれるものだし、もっと有能になれるものだ。

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いかがでしょうか?
実際にやってみると、自分を縛りつけているのも、自分を苛立たせているのも、結局は自分なのだ!という気持ちになってきます。
自分にとっての「Annette」さんこそ、自分の幅を広げてくれる存在、自分の枠を気づかせてくれる存在なのかもしれません。
頭ではわかっていても感情的に反応してしまうときこそ、ぜひ試してみてください!

(DODパートナー:大前みどり)