Vol.64「できないという体験」

4月に入ってから、ピアノとボーカルのレッスンに通い始めました。

ピアノは「脳トレ」のためです。
両手の複雑な動きを練習することで、脳がより活性化するんではないかと期待して。

やってみると、これが想像以上に難しい。
頭で思う通りには、指は全然動いてくれません。
そしていったん間違えようものなら、頭の中が真っ白になり、手もとまってしまいます。

ですが、その分できたときの喜びはひとしおです。
まだまだ初歩の初歩ですが、それでも自分が音楽を奏でているという喜びも大きいです。

ボーカルのレッスンは、良い声を出せるようになりたいためです。
"良い声"というのは、研修やファシリテーションなど人前で話す際に、参加者の方にとって聞きやすい声で話したいという意味です。

レッスンでは、腹式呼吸、身体をゆるめるストレッチ、発声法などの基本的なことを繰り返しながら、自分の身体の使い方のクセに気づいてそれを矯正していきます。

無意識にいろんなクセがついていて、当たり前にできそうなこともできない自分にびっくりしますが、自分の身体に楽器のように良い音が響いたときは、とても気持ちよくてうれしくなります。
さらに声を出すことはとてもよいリフレッシュになり、おまけに歌も上達すれば、よいことづくめです。

ピアノもボーカルも、どちらも4月に入って始めたばかりですが、週に1回のレッスンは毎回発見に満ちていて、とても張り合いを感じています。

年を重ねると、できることばかりを繰り返すようになり、できないことはあまりしなくなるので「できないという体験」をすることが少なくなるように思います。

いろんなことの元をたどっていくと、何でも始めはできなかったこと。
試行錯誤を繰り返し、自分で実践や体験をしながら、できなかったことができるようになる。
「できないという体験」があるからこそ、できるようになる喜びを感じることができる。

今回この習い事体験を通して、たくさんのできない体験と、できるようになる過程を味わっています。
これって、シンプルだけど、人の成長や生きることそのものを実感するプロセスだな~とあらためて思っています。

(DODパートナー:大前 みどり)