【レポート】3/8 関係づくりのファシリテーション

【開催概要】

●タイトル: 関係づくりのファシリテーション
●主催  : ダイナミクス・オブ・ダイアログ(DOD)LLP
●日時  : 2015年3月8(日)
●場所  : 新宿文化センター
●参加人数: 7名
●ファシリテーター: 折口みゆき(DODパートナー)

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【自己紹介のウラに】

事前にお配りして記入してもらっていた自己紹介シートを元に、グループごとに8分間で自己紹介。今回の目玉は「自分を動物に例えると?」という項目。そんな話題を元にして、時間いっぱいワイワイとおしゃべりが続き、ゆっくりとお互いの間のハードルが下がっていったようです。その後、グループリーダーを決めて本編に入っていきます。

が、その前に、自己紹介の効果、気持ちの変化などについてグループで共有。
「自己紹介で『自分のいまの気持ち』を言うのって初めて」「新鮮!」という人もいました。
「おしゃべりしてみんなの声が重なっていくことの効果を感じた」
「最初より気持ちが楽になった」

このあたりから講師のMiyuさんから裏のしかけ/意図の話が披露されました。

今回の「動物に例えると」の理由を話した本人に聞くと、その人の紹介されていない一面や人間性が見えてきます。「話がロジカルじゃなくて、感覚で話せるのもいい」という方もいました。
今回はたまたま「動物」ネタでしたが、その場には関係無いような内容をひとつ入れることによる効用も解説されました。

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自己紹介は、この場の参加者がどのように振る舞ってもらいたいかの基準作りとも言えるとのこと。ただ知りあうだけでなく、進め方をある程度指示することにより、「あ〜そういうふうに進めていく場なんだな」と参加者が認知していきます。
また、よく見ているとそこにそのグループのパターンや参加者の行動傾向が見えてきたりします。ファシリテーターとしてはそんなところも見ていくのです。

実は冒頭の自己紹介の裏にはそんなねらいがあるんですね。

自己紹介はもちろんのこと、ファシリテーターにとって「どう始めるか」ってとても大事。それがその後の進行に大きな影響を与えます。場をつくるわけですね。
Miyuさんからは「はじめの場づくり」で気をつけることをサマリーとして解説してもらいました。みなさんうなづきながら熱心にメモを取っていました。


【ファシリテーターの基礎的行動】

前のリーダー(進行役)が次のリーダーを指名してバトンタッチしていただきました。
そんな些細なアクションの中にもいくつものしかけや意図がありました。なぜチェンジするのか、なぜその人なのか、なぜその方法なのか。

改めて次のリーダーを理由付きで指名していただくと、自然にグループの中に拍手が起こりました。メンバーの中に納得感や共感が生まれたのでしょうか。グループの雰囲気はさらに良い方向に動いているのを感じました。

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今回のワークショップは基礎編に位置づけられていますので、シンプルに3つの要素でファシリテーターの基礎的行動を理解します。その内容まではここには書きませんが、ズバリ、ファシリテーターのやっていることはシンプルに3つ!これを常時動かし続けているということです。
Miyuさんからはいくつかの事例を披露してもらい、この3つの理解を深めていきました。

 そもそも今回の講座は「関係づくり」がテーマ。ですので、いわゆるファシリテーションのまとめ方のスキル、解決の方向に向かわせるテクニックやノウハウというよりは、人の中にある、あるいは人と人の間に何があり、それをどうするかを考えていくところにフォーカスしていきます。


【ダイアログ】

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午後は椅子を円に並べて全員で話をする形で始まりました。2つのグループを1つにし、全員でのダイアログを通して関係性を高めました。

午前の感想、相手がどう見えるかなどを話していくうちに、Miyuさんと参加者のみなさんの距離も縮まり、忌憚ない質疑応答も始まります。素朴な疑問、自分自身が困ったときの話などを通して、ファシリテーターとしての基本スタンスを話し合う、密度の濃い時間となりました。


【ワーク】

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ここからいくつかのワークをこなしていきました。

まずは、ある会議のシーンが書かれた文章を読み、そこからファシリテーターとしてどう振る舞うかを考えました。ファシリテーターとしてのアクションをどう考えていくか。その視点を共にねりあった感じです。その後、Miyuさんからファシリの視点のモデルが提示されました。これを理解するとファシリとして見落としのない場への関わりができそうです。

次に、映像を見ながらのワークです。自分がその場にファシリテーターとしていたとしたら、何を見てどう解釈していくのか。ファシリテーターとしては場を感じ取り読み解いて、然るべき方向に進める必要があります。そのための眼力(?)を養うワークです。事前に必要なことは聴いて理解しているつもりでも、いざとなると見落としてしまうことも多く、できないことも多いものです。映像を使うことで臨場感のあるワークとなりました。

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その後に行われたのは、違いを認識するワーク。
同じ言葉でも人によって捉え方、もっているイメージが違います。言葉だけに左右されるのではなく、その後ろに隠れている認識やイメージまで共有することで、お互いのズレを解消する方向に向かいます。それを体感して理解する機会でした。




【まとめ】

全員で再びサークル状に座ります。あえてファシリテーターが違う所に座ることによって、直接指示することなく、みんなが違うところに座るようになります。場の認知を変える一つのアプローチです、とのことでした。

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最後に相互理解ワークで想いを伝え合いました。
「互いを評価する言葉」を通じて、どんなところに承認のキーポイントがあるのかを理解しました。
 
表面に見えない情報を見たり探ったりするアプローチを中心にお伝えしていましたが、実はそれぞれが自分自身を見つめなおし探る時間になったようです。
「実のある機会になった」というある方の最後のコメントが嬉しく感じました。

Miyuさんは最近も組織開発のワークショップに参加し研究を深めており、所々で難しい話になるのを懸念していました。しかし逆に言えば、新しい知識とノウハウがあふれており、過去のワークショップの内容がさらにわかりやすくなっている点もあったと思います。

今後のワークショップが楽しみになりました。


【参加者の声】

  • 1日という限られた時間の中で、多くの要素を盛り込んでいただいていたと思います。体験型を振り返りをしながら学んでいく方法が自分にも合っていました。
  • 研修の場自体、とても良い雰囲気でした。折口さんのファシリテーションのおかげだと思います。 質疑応答の時間でも、受講生間から意見が多く出て、日頃の悩みやナレッジを共有できたのがよかったです。
  • メタワークショップという方法がとても興味深かったことや、ファシリテーターとしての技術的な面よりも、もっと人の内面にフォーカスした内容だったことが良かったです。また、最後に質疑応答の時間も取って下さったので、自分が知りたい内容がピンポイントで質問できたことも良かったです。
  • ファシリテーターとして「どんな場を作りたいか」を設定する必要性:全てはここから始まり、この目的を達成するための手段がワークである、という考え方を再認識できました。これまでコンテンツメインの設計でしたが、今後はまず「場」についてセットしてみたいと思います。

(DOD 中川繁勝)