vol.97「"今ここ"の実践」

先日「人工知能時代 僕たちの幸せな働き方 in 鎌倉」という会に参加し、後半「人間はこれからどう生きるべきか」というパートでパネリストとして少しお話しさせていただきました。短時間でしたが、本音で話せる場だと実に面白い。もっと深く対話を楽しむ時間が欲しいと思える稀有な場でした。

そこでも少し触れたはずの「今ここ」の働き方について、お話してみたいと思います。

まず「今ここ」について語るには、それぞれが「今ここ」という体験を、日常における実践を通して、独自の感覚に気づくことからはじまります。専門家や誰かの言ったことはあくまでも参考であり、鵜呑みにするのではなく、自らの体験から言語化することが望ましい。さらに、グループなどで共有することにより、他の方々の感じ方、表現をきっかけに新たな視点に気づく機会があるかどうかも大事です。

なぜなら、「今ここ」とは、この瞬間、常にあるものであり、移り変わるものだからです。当然、感じ方、捉え方は、人ぞれぞれですが、根底では共通している何かがあるのも確かです。

実際、「今ここ」を生きることとその状態で働くということは別と捉える方が多いように思います。しかし、私が思うに、「今ここ」でありながら、働いたり、日常生活を過ごすことは、どんな環境でも可能です。それどころか、仕事場は素晴らしい練習場です。あとは精度の問題。

仕事場では、関係者が増えるので簡単ではないのは事実です。ひとりでいるだけであれば、他者に邪魔されることなく、変動要素は自分自身のみとなり、「今ここ」の感覚を捉えやすいかもしれません。しかし、他者の影響や組織などの集合体の中では、感情的にも、出来事としても、ほとんどの人が様々なしがらみの中にいます。どれだけ注意を向ける存在や関係性があるかによって難易度は変わってくると言えます。

しかし、前述した通り、どんな環境においても、自ら「今ここ」を生きることに試み、自分なりにレベルアップすることは可能です。

その秘訣は、「"豊かさ(ある、ありえる)"を感じる」力があるかどうか。

「"豊かさ(ある、ありえる)"を感じる」力は、どんな自分もまるごと受け容れて、そのままを感じる力でもあります。従って、まずはとことん自分に集中することです。そして、過去からの不満や不安などの考えを持ち、それらに囚われているのであれば、それらもまとめて、受け容れる。

その先で、過去の自分を判断せずに、過去は過去として理解できた時、今この瞬間の自分に出会うことができるはずです。

(DODパートナー 坂本敬行)