vol.93「AIとともに」

AIが話題になっている。
20代の頃、世間で「インターネット」と言う言葉が流行っていたときのようだ。
日経新聞でAIという文字を見ない日はないというくらい、どこかにその記事が載っている。

AIによって多くの人が仕事を失うという予測もある。
自分は、うちの会社は大丈夫だろう、などとタカをくくってはいられない。
一頃のインターネットもそうだったのだから。

税理士や弁護士といった高給取りの仕事はいとも簡単にAIが介入してくるという話もある。
多くの職業を脅かすAIだが、AIと言えども介入しづらい領域がある。

それは「感情労働」の領域だ。

過去のデータを漁ったり、決まったルールに則って思考を進めることが得意なAIだが、残念ながら人の感情を模することはそう簡単にはできないそうだ。
つまり、人の顔色を見て対応を変えたり、相手に合わせた対応をするようなことは不得手だというのだ。

ならば一安心、と言いたいところだが、会社に働く多くの人が、感情を押さえて働いている。
感情を出すことはいけないことのように信じて、組織のしごとに従事しているのだ。

いまこそ、人間らしい働き方を取り戻したい。
ロジックだけで片付けていては、マネージャ職もAIに乗っ取られてしまうぞ。
考えただけでもゾッとする。

AIにの不可侵領域である感情のセンスを磨いて、AIとともに社会を生きていく力をつけていきたいものだ。

(DODパートナー:中川繁勝)