vol.91「反射的反応ではなく、聴くことからはじめる」

4-5月の新人研修の時期も一段落し、人事部の皆さんから新人フォロー研修のご相談をいただくことが増えてきました。

先日も来春実施のフォロー研修の打ち合わせをしたのですが、ある女性担当者からこんな質問をいただきました。

「うちの新人は高卒・大卒・大学院卒が違います。また所属部署も違い、直前まで研修をやっている者もいれば、10ヶ月仕事をしている者もいます。研修中どのように対応されますか?」と。

この質問を聞いた時、「違いがあるのは当然じゃない」という心の声が反射的にあがってきました。

仮に全員が大卒で同じ仕事をしている人でも、必ず体験が異なりますし、得意・不得意にも違いがあります。それはどんな研修だって同じです。そもそも一人ひとりには違いがあって、違いを活かし補い合いながら、仕事をしているのが組織ではないかと。

その時は「相手と違いがあることは、自己発見がありますし、視野もひろがります。そのため違いを相互に尊重しながら研修進行します」とお答えして、打ち合わせは終了になりました。

しかし、帰りの電車でハッとしました。

私は彼女との違いを大事にせず、一方的に話を進めてしまった...と。

人は意見が違うと感じると、相手に背景や意図を確認しないまま、反射的に自分の意見を押し付けてしまいがちです。まさに私がその状態で、なぜそのことを質問をされたかについて全く聞けていませんでした。もしかしたら前年度、そのことで困った経験をお持ちかもしれませんし、大事にしているポイントがあるのかもしれません。

「違いがあって当然だ」と言っている私自身が違いを大事にしていませんでした。反省です。

次回彼女に会った時「どのような背景や意図があって質問されたのか?」それらを聴くことからはじめよう、と思っています。

(DODパートナー:折口みゆき)