Vol.75「意味の共有」

先日、ある組織のオフサイト・ミーティングにファシリテーターとして参加してきました。

普段から仲の良いメンバーのようで、和気藹々とした雰囲気でミーティングは始まりました。今回はチームビルディングで、ロープを使って図形をつくるワークを実施したのですが、このようなワークではメンバーや組織が抱えているパターンが現れます。

今回パターンとして現れたのは、思い込みにより「私たちは意味を共有しないで活動している」ということでした。
・そもそも、私は◯◯を~と捉えていた
・私は◯◯を知っていたけど、Aさんの方がきっとより多くを知っているだろうと思って言わなかった
・私が関わらない方が、成果をあげるためにはいいだろうと思って提案しなかった

それぞれが、言いたいことを言えていると思っていたようですが、そのような思い込みにより、定義や背景・意図といった「意味」は共有せずにチーム活動が行われていたというのは、大きな気づきだったようです。

変化を促すリーダーの内面を長年にわたり探求しているジョセフ・ジャウォースキーは「『意味が共有化』されると、人々はたとえ理由について賛同していなくても、協調的で効果的な行動をとることができ、また、とるようになる」と言っています。

今回のオフサイトでも
・それがわかっていたらもっとお互いを理解できたのに...
・その意味を知っていたらもっと成果があげられたのに...
という感想が多く出てきました。

忙しい仕事のなかで『意味の共有』をすることは難しく感じられるかもしれませんが、普段の会話や会議の場で、意見だけではなく定義や背景・意図といった『意味の共有』を図ることができると、チームとしての一体感が生まれるのではないでしょうか。『意味の共有』をすることは遠回りのように感じますが、仕事の成果をあげる上では大事なことかもしれません。

皆さんの会社や身近な人との会話でも、一歩進めて『意味の共有』ができる話し合いをしてみませんか?

(DODパートナー:折口 みゆき)