Vol.73「本当の自分を生きるとは」

DODでは、本当の自分を生きるというテーマで、これまでもイベントを開催してきました。

その言葉を使うときに浮かび上がるのが、
「まだ本当の私を生きていないのでは?」という問いです。

そこには「私はもっとできるはず!」「より良い自分になれるはず!」「まだ本気を出してない!」「私にもっと適した仕事があるはず!」など、ポジティブ、ネガティブの感情が入り混じってるかもしれません。まだ出会ってない本当の自分、、、それらの断片や今とは違う欲求や感覚があるのを感じているからこそ、この問いがあるのだと思います。

そんな本当の自分を生きるにはどうすれば良いのか?

2009年のTED「優れたリーダーはどうやって行動を促すか(How great leaders inspire action)」で、サイモン・シネックは、Why、How、Whatの3つの円があり、「人は『何を(What)』ではなく『なぜ(Why)』に動かされる」ことを説明するシンプルなゴールデンサークルというフレームを紹介しました。多くの人は、ゴールデンサークルの外側から内側に向けて、What ⇒ How ⇒ Why の順番で考えると言います。しかし優れたリーダーは逆で、Why ⇒ How ⇒ Whatの順で考え、伝えるそうです。

これは、人を動かすリーダーシップに限らず、自分自身を動かすセルフリーダーシップにも言えることです。しかし、コーチングやワークショップの相談、質問でも、多くの人がまず先に「何をすれば?」「どうすれば?」に注意を向け、より良い回答を探し続けます。

より良いフレームワークは見つかるかもしれませんが、自分の心(Why)を後回しにして、What ⇒ How ⇒ Whyでは、心から自分自身を動かすことはできません。

本当の自分を生きるのに必要なことは、「何を?」でも「どうすれば?」でもなく、まず先に自分が心の奥底から何を望んでいるかに気づくことです。

そのためには、日常的なパターンを抜け出し、まったく違う環境や仲間たちと場を共にしたり、一人で内観したり、普段注意が向かないことに気づくためのプロセスや場に参加するのも効果的です。

本当の自分を生きたいと思う方は、まずは1日5分の時間を確保して、自分の「心にある本当の思いは何?」と問いかけてみてはいかがでしょうか。

(DODパートナー:坂本敬行)