Vol.65「仕事を物語的に捉える」

私は、そこそこの映画好きです。昨年公開され、今月発売した「スターウォーズⅦフォースの覚醒」は映画館に5回、既に輸入版で1ヶ月先に手に入れ、隙間時間も含めるとこの1ヶ月で10回以上鑑賞済みです。それだけ繰り返し観ると、嫌でも作品に隠れている構造は色濃く見えてきます。

忠実に模している構造、それは神話学者ジョーゼフ・キャンベルの示した「ヒーローズジャーニー」の典型的なヒロイン、ヒーローの物語です。時代を超えても色褪せない作品は、この構造を物語のプロット(構想)にしっかりと反映させています。

私がSWシリーズをリアルタイムで観たのは、1980年公開の「スター・ウォーズⅤ/帝国の逆襲」ですが、一部では支持も多い作品で、LINEのスタンプにもあるヨーダ(賢者)と出会い、試練、仲間、敵との対峙など、成長に必要な要素がてんこ盛りのエピソードです。今でも生涯ベスト5に入ります。

同様に、脳科学的見地からも語られることの多い1999年公開の「マトリックス」は、17年経っても全く色褪せません。この作品も当時、映画館だけで最低7回は観ました。これについて語りだすと止まらないのでご参考までに未見の方はぜひご観賞ください。

なぜなら、この典型的な物語の構造は、人生、仕事全てにおいて、何らかの示唆を与えてくれるからです。

例えば、この構造を応用して、仕事のロードマップを考えます。主にプロジェクトでは、シナリオを想定し、この物語構造を組み込みます。リーダーであれば、この機会に誰に育って欲しいか、全体ではどんな大団円が考えられるか、リスクや課題のハードル(目標)を設定し、どんなチャレンジをするか、プロジェクトのシナリオを想像し、具体的プランに落とし込みます。

2001年公開「ロード・オブ・ザ・リング三部作」では、それぞれ生き方、考え方、目的も違う多様な旅の仲間が集い、冒険に出て、最後は種族の違いや思惑を超えて、一つの目的のために各々ができることに命を賭していきます。

命まで賭ける必要はありませんが、日々現場で起きていることですよね。つまり、上記の作品群はもちろん、最近の日本のドラマで言えば「下町ロケット」も同じ構造を持っている物語です。

映画業界もシネコンが広がり、2Dから3Dへ、より高精細度のIMAX、最近では「体感型(4D)」の4DXというアトラクション的な鑑賞体験まで多様になってきています。そうなってくると、どうしても受動的体験になりがちです。だからこそ、積極的に冒険に出て、自ら仕事体験を楽しむと同時に、自分の成長、チームの成長のためのロードマップを描いてみてはいかがでしょうか。

告知になりますが、6/4,5に開催するマインドフルジャーニーでは、「ヒーローズ・ジャーニー」の構造をベースにしています。2日間の旅の仲間をお待ちしています。

(DODパートナー:坂本 敬行)