Vol.35 原点に立ち返る

私たちダイナミクス・オブ・ダイアログの活動は、2009年にスタートし、
現在6年目です。

活動当初は、ワールド・カフェ・ウィーク実行委員会を立ち上げ、
ある一週間を「対話週間」と決めて、全国でワールドカフェを主催したい人が
誰でも登録できるWEBサイトをつくりました。

「ワールドカフェ開催の手引き」を配布し、ワールド・カフェ・ウィークの
サイトを活用してもらって、より多くの方にそういった場があることを知ってもらう。

「でんきを消してスローな夜を」と呼びかける
100万人のキャンドルナイトという活動がヒントでした。

可能であればカメラで各会場をつないて、同じテーマでワールド・カフェを
するのもおもしろいね、といったことも話していました。

2009年11月、第1回目のワールド・カフェ・ウィークのオープニングでは、
100人のワールドカフェを開催しました。

カフェホストは書籍『ワールドカフェ』訳者の香取一昭さん。
そして、田坂広志先生にお越しいただき講演をしていただくという
2部構成でした。

そのときの様子は、『企業と人材』に寄稿させていただきました。
(もしご興味のある方は、以下でご覧いただけます)
https://world-cafe.net/doc/report.pdf

さて、新ためてそんな活動の原点を振り返ってみると、
そこには、こんな信念がありました。

組織や地域の中で、
発されていない声が発されること、
聞かれていない声が聞かれること、
多様な人の意見が出会うこと、
そして新しい意味や価値が生まれてくること、
それによって、組織や地域の未来(可能性)が立ち現われてくる。

2011年からは、そういった可能性がさらに生まれるよう、
ワールド・カフェだけでなく、様々な対話の手法やワークショップ
実施しています。

ワールドカフェと同じく、ホール・システム・アプローチと呼ばれ
手法の中に「フューチャーサーチ」というものがあります。

フューチャーサーチは、特定の課題に対して、利害が関係する人が集まり、
全体像を共有しながら、共通の拠り所を見いだし、アクションプランを
作っていくプロセスです。

(すべてではないにしても)利害関係者が集まるというグループの全体性。
過去、現在、未来という時間軸の全体性。
現在起こっていることを全員で共有するという空間の全体性。

いろいろな全体を見ていくことによって、参加者一人ひとりが
自分の立場からだけでなく、いわばメタな視点を得ることができ、
その全体の一員なのだという自覚が高まっていきます。

その自覚が、主体性であり、物事を変えていくときのエネルギーに
なると思うのです。

現代のように、複雑さと変化のスピードがこれだけ増していると、
全体像をつかむことは、非常に困難に感じられます。

問題を前に、途方にくれてしまったり、考え抜いた解決策に
共感が得られなくてさらに途方にくれてしまったり。

「いったいどうしたらいいのだろう?」という問題は、
社会に、数えきれないほどあるでしょう。

だからこそ根気強く、人と人が対話をしていくことが、
重要なのではないかとあらためて思うのです。

発されていない声が発されること、
聞かれていない声が聞かれること、
多様な人の意見が出会うこと、
そして新しい意味や価値が生まれてくること、
それによって、組織や地域の未来(可能性)が立ち現われてくる。

という原点に立ち返って、今年も様々な活動を続けていきたいと思います。

上記で紹介したフューチャーサーチ(体験版)は4月に開催します
よろしければぜひご検討ください。

4/25(土)~26(日)
"これからの私たちの働きかた"フューチャーサーチ
https://world-cafe.net/2015/02/42526.html

DODパートナー 大前みどり)