コラム vol.114「主体的な場から生まれる知恵と行動」

「なんなんだ、これは・・・」

8年前、はじめてOST(オープン・スペース・テクノロジー)を体験したときに感じたことです。
これまで体験してきたものと、まったく違うなあというのが第一印象でした。

事前に決められているのは場所と時間だけ。ファシリテーターが最初に場の目的を説明したあとは、すべて参加者が自立的に進めていきます。
この最初の体験のときは、ファシリテーターの姿も見えなくなっていました。

その日は、参加者からたくさんのテーマが出され、白熱した対話が繰り広げられました。
終わったときには場の空気だけでなく、一人ひとりの表情が力強く変わっていました。

「これはすごい可能性を持った手法だ!」

と強く感じました。


OSTとは、テーマに関心のある人々が集まり、自分たちで議題をつくって主体的に話し合うためのファシリテーション手法です。
ワールド・カフェと同様「よいコーヒーブレイクにおける協働や刺激と、よいミーティングの内容と成果を組み合わせることはできないか?」という問いから生まれました。

たとえば、西アフリカの小さな村では、500人あまりの参加者が楽しい雰囲気の中で、実行委員会も持たずに自分たちで4日間の儀式を管理しています。
このような自己組織化のメカニズムをもとに、ハリソン・オーウェン氏が実践をもとに編み出したのがOSTです。


ただ、文字で読むのと実際に体験してみるのとは大違いで、全員の前でテーマを出すには勇気が入ります。
セッションの移動は自由なので、誰もいなくなってしまったらと不安にもなります。

ファシリテーターとしても怖いです。
その目的や原則がしっかり伝わらないと、「お前は何もしていないじゃないか」と言われてしまうかもしれません。


それでも。

自分が本当に検討すべきだと思うテーマをみんなの前で宣言すること。
自分が重要だと思うテーマ、自分が貢献できると思うテーマのセッションに参加して、深い対話をすること。
そういったことのすべてが、一人ひとりの思いや情熱、知恵や行動を引き出すことを実感できるのがOSTだと思います。

これまで何度かOST体験講座を開催したり、お手伝いをしている組織の中で取り入れたりしてきました。
そこでの効果はやはり、最初に自分が体感した通りでした。


そこで、久しぶりにOST体験の場をつくろう!と思いたちました。

「100歳まで生きる時代の働き方」について考えるOST
http://world-cafe.net/event/post-104.html

ファシリテーション手法は、あくまでも手法であって、その原理原則の理解と、目的に沿って実施することが欠かせません。
今回のテーマは、誰もが自分事です。
前回同テーマで実施したワールドカフェでも、時間が足りなくなるほど白熱していました。


このOST募集を開始したときには知らなかったのですが、OST実践の大きな参考となる書籍も発売されました。

『人と組織の「アイデア実行力」を高める――OST(オープン・スペース・テクノロジー)実践ガイド』英治出版
https://www.amazon.co.jp/dp/4862762522/

よろしければぜひ、テーマに関する興味や思いを持って、体験しにいらしてください。
OST体験の場というよりも、ご自身の働き方にとって意義のある時間になるはずです。


【詳細・お申込み】
「100歳まで生きる時代の働き方」について考えるOST
http://world-cafe.net/event/post-104.html

(DODパートナー 大前みどり )